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『おにたのぼうし』

あまんきみこ/ぶん いわさきちひろ/え

「鬼は外、福は内」。悪い鬼を追い払い福を呼び込む節分の儀式。でも、鬼って悪い鬼だけなのでしょうか?いいえ、心の優しい鬼もいるんです。おにたは人の役に立つことをするのが好きなとても気のいい鬼でした。でも、人間は鬼だというだけで悪者扱い。だから、おにたは”つのかくし”の帽子をかぶります。外見だけでなく、自分自身を見て欲しい…。おにたの葛藤は最後まで癒されることはありませんでしたが、その優しさは一人の少女に確かな幸せをもたらしたのでした。

私の家では、ちょうど節分の日にこの絵本を読みました。なんとなくかわいそうな気がして「悪い鬼は外、福は内」と言いながら子供と豆まきをしました。

 

ひらがなの絵本
『はらぺこゆうれい』

せなけいこ/作〕

中国の『幽明録』という書に出てくる話をもとにした絵本。おなかをすかした幽霊が、知り合いに聞いた方法でなんとか食べ物にありつこうとします。しかし上手くいかず、とうとう墓場で倒れてしまいました。それを見かねたえんま大王が鬼を使いによこしましたが、幽霊の身体は文字通り吹けば飛ぶようなありさまでした。鬼のくしゃみに吹き飛ばされてしまった幽霊を、えんま大王は夜空に漂うほうき星にしてあげたのでした。

せなさんが後書きですすめていた『幽明録』を読みました。不思議な話が多くて楽しめます。『幽明録』の中では、怖がらせることに失敗した幽霊が、3度目に成功してたくさんの食料を手に入れます。そしてそれ以後、怪しいことを繰り返したという話で終わります。それを、失敗したままの幽霊をえんま大王がほうき星にしてあげるという話に脚色した所。原作以上のユーモア、そしてあたたかさが加えられて、いい仕上がりだと思いました。

 

『おにはうち!』

中川ひろたか/文 村上康成/絵

その子は今日も園に来ていました。一緒に遊びたいのか、じっとこちらを見ています。名前は「にお」君。先生が声をかけ、にお君も一緒に野球をすることになりました。にお君は運動神経がとても良く、野球で大活躍。怪我をしそうになった園長先生も助けました。感謝してにお君を抱きしめる園長先生。ところが、園長先生の目に映ったのは、帽子のすきまから見えたにお君の頭にある一本の角でした。ちょうどその時、豆まきを始めるとの先生の声が…。今日は節分。にお君にはつらい一日。でも大丈夫。園長先生はちゃんとわかってくれています。

ピーマン村の絵本たちシリーズの一冊。「おにはそと」「いいおにはうち」。こんな豆まきもいいもんです。いいおにが、福を運んで来てくれるかもしれませんよ。

 

ひらがなの絵本
『ままです すきです すてきです』

谷川俊太郎/ぶん タイガー立石/え

この絵本はしりとりの絵本です。と言っても、ただのしりとりではありません。始まりこそ「たぬき、きつね…」と、よくあるしりとりが続くのですが、だんだんタイガー立石さんの描く個性的な絵にシンクロするかのように奇妙なしりとりへと変化していきます。「おにに、にあう、うさぎのえりまき…」。普通なら「これはいくらなんでも」と思ってしまうような言葉も、この絵本に描かれる世界の中では文句無く「あり」です。とにかく、不思議な雰囲気に包み込まれてしまうのです。そして、そんな中に突然出てくるのが、タイトルにもなっている「ままです、すきです、すてきです」というフレーズ。砂漠の中のオアシスのように心の中に染み込んでくるこの言葉。思いっきり心の中に残ります。すべてが計算されているのだとしたら、すごい絵本だと思いました。

タイガー立石さんは、画家であり絵本作家であり、また赤塚不二夫に影響されたギャグ漫画家でもあったようです。そのせいか、奇妙で面白く、つっこみどころ満載の絵でした。読めば読む程、いろいろな所に発見があるでしょう。また、言葉のリズムもよく、心に残る絵本です。しりとりのつながりの文字が色分けされているのも、わかりやすくて良かったです

 

『おにころちゃんとりゅうのはな』

やぎたみこ/作、絵

雲から下を眺める鬼の子供のおにころちゃん。眼下に広がるのは、未だ訪れたことの無い人間の村。親には行ってはいけないと言われているけれど、やっぱり気になっちゃいます。それに、いけないと言われれば、余計に行ってみたくなるもんで…そこのところは、人間の子供も鬼の子供も同じなんですね〜。おにころちゃんは親に内緒で人間の村へと行ってみることにしたのでした。

その時、家からこっそり持ち出したものがあります。それが、家に代々伝わる「りゅうのはな(竜の鼻)」という道具。右の鼻の穴から、どんなものでもふくらませて軽くする鼻息が出ます。左の鼻の穴からは…それは、お楽しみにしておきましょう。

人間の村に下りたおにころちゃんは、まさにやりたい放題。楽しそうにいろいろなものをふくらませて遊んでいました。ところが、たき火に鼻息をかけてしまい…大ピンチ!その時、意外な人物が現れ、意外な方法で助けてくれたのでした。

子供が気になったのが、巨大化されたバッタの行方。すべてが丸くおさまった物語の後半、遠く夕焼け空の中に怪しい姿が…ちゃんと元に戻ったのでしょうか?私が気になったのは、おにころちゃんのお父さんとおじいちゃんがしていた詰め将棋。人間界のものとは盤も駒も違います。鬼らしくて笑えました。

 

『オニじゃないよ おにぎりだよ』

シゲタサヤカ/作

オニが好きな食べ物は…もちろん、おにぎりです。オニだけに…なんて言ったらベタな感じがしますが、この絵本はもちろんそんな「ベタな」絵本ではありません。とびっきりユーモアにあふれた絵本です。

まず初めに…私はこの絵本に登場する三匹のオニが気に入ってしまいました。はっきり言って大好きです。

道に寝転がり、口の周りにごはん粒をたくさんつけながらおにぎりを食べるオニ達。その姿、そこはかとなくだらしないです。さらに、自分達の前から逃げ出す人間を見ては、オイラ達の後ろにお化けでもいたのか?なんて不思議がったりして…どこか抜けているというか、天然というか…とにかくいい味出した奴らなんです。それでいて、人間達に怖がられ避けられているとも知らずに、さらに、怖がられ避けられていることに気付いてしまったとしても、人間達においしいおにぎりをごちそうしてあげたい一心で必死にがんばったりもします。そんなピュアな姿を見ていたら…好きにならずにはいられません。

「オニじゃないよ、おにぎりだよ」…絵本のタイトルであり、物語のクライマックスに登場するこの言葉。そのページに描かれたあふれんばかりのユーモアとオニ達の心意気に、私はノックアウトでした。

最近、シゲタサヤカさんの絵本を立て続けに読んでいます。子供達もお気に入りの様子。この絵本も親子共々とても楽しめました。何と言っても芸が細かい、というか遊び心がすごいです。ページをめくるごとに、そして、だらしなくオニがおにぎりを食べるシーンを重ねるごとに、オニの体型が微妙に変わっていくのには笑いました。最後の方では、下っ腹がぽっこりとして、はっきりいってメタボそのもの。心の中で笑いながら読み聞かせしました。

 

同じ名前見つけた
『おにぎりがしま』

やぎたみこ/作

鬼が島ではなく「おにぎりがしま」…あの有名な昔話を連想してしまいそうなタイトルが付けられたこの絵本。読んでみると、桃太郎のような浦島太郎のような…そんな雰囲気を持ちながらも、それでいて内容はまったく別の物語。それは、なんとも不思議で楽しい昔話風の絵本でした。

浜辺を一人寂しく歩いていた少年「こたろう」は、おにぎりが一つだけ乗った不思議な小舟を見つけました。お腹を空かしていたこたろう。舟に乗り込みおそるおそるおにぎりに近付いてみると…突然、おにぎりの中からかわいい「おにぎりおに」が生まれたのです。驚くこたろうをよそに、小舟はものすごいスピードで沖へと進み、いつの間にか無人島へと流れ着きました。そこで「おにぎりおに」は、これまたものすごいスピードで米を実らせ、収穫した米からそれは見事なおにぎりをたくさん作り出したのです。そのおにぎりの美味しいこと美味しいこと。さらに残ったおにぎりから別の「おにぎりおに」も生まれ出し…

一人寂しい思いをしていたこたろうと「おにぎりおに」達の不思議で楽しい物語。最後には乙姫様と結婚までしてしまうんですよ。

子供達が楽しそうに聞いていた絵本です。特に、「たこおにぎり」や「まがりきゅうりおにぎり」などいろいろなおにぎりがたくさん紹介されたページはお気に入りで、あーだこーだと盛り上がりました。海坊主や人魚やカッパなどいろいろなキャラクターが登場するのもこの絵本の魅力の一つかもしれません。

 

『じごくのらーめんや』

苅田澄子/作 西村繁男/絵

この絵本に描かれる地獄…ものすごくぬる〜〜いです。これだけ怖さを感じない地獄も珍しいくらい。何がぬるいかって、地獄で鬼に責め苦を受ける罪人達の表情がまずぬるい。物語は、地獄は「こわーいところ」なんて始まりますが、とてもそうは見えません。何か…いつものことですよと言わんばかりの顔をしています。これは、ある意味とてもすごい「絵力」だと思いました。

そんな地獄の罪人達ですが、天国への憧れなんてのは一人前にあるようで、業火に焼かれながら、血の池に沈められながらも、天国へ行ってみたいなと毎日のように話していました。天国にはおいしいものがたくさんあるそうです。それに比べ、地獄には当然そんなものあるはずもありません。地獄なんて大嫌い…

すると、そんな罪人達の不満を耳にしたえんま様。かんかんに怒って…何を思ったか、罪人達を懲らしめるわけでもなく、天国になんて負けてられないと、ラーメン屋を始めるのでした。この辺りの下りがまたぬるい。

さて、えんま様が作るラーメン…やはりというか何というか、その辛いこと辛いこと。地獄の鬼もただただたじろぐばかり。こんな時、人間界では「激辛ラーメン、全部食べたら1万円」なんて特典が付いていたりするものですが、えんま様のラーメン屋でもとんでもない特典が付いたのです。それは…なんと全部食べたら天国へ行けるというものでした。

さあ、それからというもの、ラーメン屋は大人気。店の前は罪人達の大行列です。そして、その人気ぶりは、ラーメンの匂いとともに天国にまで伝わっていき…

こんな地獄だったら行ってもいいかな…なんて思ってしまうくらい、「怖くなさすぎ!」の地獄の絵本でした。読み聞かせを聞く子供達も顔がにやけているし、私も、きっと読みながら顔がにやけていたと思います。教育的観点からすれば、やっぱり地獄は怖い所でなくては…と言う方は、この絵本はスルーしてください。それにしても、えんま様の人間くさいことといったら…もう、その表情や仕草に目が釘付けでした。この物語に、この絵…実に、いい組み合わせです。

 

『おにより つよい およめさん』

井上よう子/作 吉田尚令/絵

とある山奥の小屋に、とても乱暴な鬼が住んでいました。時折、村へ下りて来ては悪さばかりしています。ある日、そんな鬼が村へ嫁をもらいに来たものだから、大変。誰も鬼の嫁になんてなりたがるわけがありません。しかも、嫁を差し出さなければ村が壊されてしまうのです。村人達は青くなって、どうしたものかと困ってしまいました。

すると、そんな村人達の前、「おらが嫁になる」と名乗りを上げた一人の娘がいました。大柄で、見た目頑丈そうなその娘、名前を「とら」と言います。さっそく、鬼はとらを小屋へと連れて帰りました。ところがこのとらという娘、とても器量よしとは言えない上に、家事が大の苦手。そのくせ、力だけはたいそう強く、その力は、無理矢理家事をさせようとする鬼を投げ飛ばしてしまうほどでした。

鬼からすれば、とんでもない嫁をもらってしまったわけで、飯は作らず、掃除も洗濯もせず、大飯ぐらいで、食ってはごろ寝、おまけに自分よりも乱暴…これでは、たまったものではありません。堪忍袋の緒が切れた鬼は、とらを村へと叩き返すため山を下りていきましたが…

実はこの後、ある出来事をきっかけに、鬼ととらの心の距離が急接近します。そして物語は、見事なハッピーエンド。そこには、幸せそうな一つの家族が描かれていました。どんな出来事だったかはお楽しみ。ほっこり、あたたかい気分になれる絵本でした。

吉田尚令さんの絵が、「新しい創作民話」として書かれた物語にとてもよく合っていました。吉田尚令さんは、『悪い本』(宮部みゆき作)でも絵を描いています。私は、正直言って『悪い本』は嫌いですが、絵の存在感をすごく感じたのを覚えています。絵本紹介topへ

 

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