それはどこからどう見ても人間の身体です。
小鳥は少しとまどいながらも、木のそばまで歩いてみました。
「夢じゃないんだ」
そう思うと、だんだん楽しくなってきました。
楽しくて木のまわりを何度も回りました。
やがて木の根っこにしゃがみこんだ小鳥は、公園で遊ぶ子供たちのことを考えました。
「一緒に遊んでくれるかな」
こんな時、小鳥はいつも不安で胸がいっぱいになるのです。
どうしてなのかは小鳥にもわかりませんでした。
その日、子供たちはたくさんやって来ましたが、やっぱり小鳥は一人のままでした。
ジャングルジムの前で、どうしてよいかわからず立ちつくしていました。
その時です。
「なんか変な頭」
となりにいた男の子が声をかけてきたのです。
小鳥は人間の言葉がよくわかりません。
でも、話しかけてくれたことが嬉しくてニコニコしていました。
男の子はそのままジャングルジムをのぼり始めました。
小鳥もまねをして後をついていきます。
初めてのぼるジャングルジムは上手にのぼれませんでしたが、なんだか楽しい気持ちでいっぱいでした。
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