その日からきゅるは、毎日、友達が来るのを待っていました。
追いかけっこしたり、かくれんぼしたり。
いつも木の上から見ていた遊びはどれも楽しいものばかり。
きゅるは、幸せでした。
そんなある日のことです。
きゅるが地面に絵を描いていると
「いいもの見せたげる」
男の子はそう言って、きゅるを家までつれていってくれました。
そこで、きゅるは素敵なものに出会ったのです。
それはたくさんの「絵本」でした。
友達が見せてくれた、きれいな絵がいっぱいの本。
やさしい顔をした太陽。
ライオンの姿をした雲。
夜の空に浮かぶきれいな虹…。
文字を読むことが出来ないきゅるは、ただ、それらの絵にみとれていました。
「これ、どこに行けば見えるのかな」
聞きたかったけれど、しゃべれないからやめました。
心の奥がさわぎました。
そして、羽が無いことを少し悲しく思いました。
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