ー絵本紹介用ー
ー今日の読み聞かせ用ー
ーお気に入り絵本用ー
滝村有子/さく 鈴木永子/え
赤ちゃんが生まれて、お姉ちゃんになったなっちゃん。今までは、牛乳を飲みたい時も、パジャマに着替える時も、髪の毛を結びたい時も、どんな時だってママがやってくれました。でも、ママは赤ちゃんの世話で忙しそう。だから、なっちゃんは自分でがんばってみました。初めてする事は、どれも上手にはいかないけれど、なんとか「ちょっとだけ」成功したみたい。お姉ちゃんとして健気にがんばるなっちゃん。でもお昼寝の時間になると、やっぱりママに抱っこしてもらいたくて…だから、眠い目をこすりながら、ママにお願いします。「ちょっとだけでいいから抱っこして」
思わずギュッと抱きしめたくなるほど、健気でかわいらしいなっちゃん。まだ小さいのに、お姉ちゃんでいようと一生懸命なんです。赤ちゃんが生まれ、いきなりお兄ちゃんお姉ちゃんになれる子供はいません。まだ小さい子供ならなおさらで、ある意味ライバルの誕生であり、今まで以上に甘えてきたりしますよね。だから、なっちゃんはすごいなと思いました。友達のママから「赤ちゃんてかわいいでしょ」と聞かれ、ちょっとだけうなずくなっちゃん。本当は少し寂しいけれど、がんばっているんですね。最後に思いっきりママの愛情にふれたなっちゃんの幸せそうな顔が心に残ります。
竹下文子/文 鈴木まもる/絵
積み木3つを重ねてベンチ。さらに4つ重ねたらきりんになりました。その隣では、たくさんの積み木を重ね、何かを作っています。山?家?車?いえいえ、そんなものではありません。とても大きな怪獣、積み木ザウルスです。突然追いかけてきた積み木ザウルスを止めたのは、積み木の壁。他にも、積み木の公園、お城…。積み木の楽しさがいっぱいつまった絵本です。
遠くの方がかすんで見えるくらいたくさんの積み木で作られた、積み木の国の絵が圧巻です。その絵を見た途端、子供は「行ってみたい!」。子供の目にも、かなり魅力的に映っていたようです。
かわかみたかこ/さく・え
床屋のとこちゃん。腕は確かなのに、お客さんがさっぱり来ません。そんなある日、とこちゃんの店に世にも珍しいお客さんがやって来ました。それは、お化け。お化けに似合う髪型なんてあるのかな?大丈夫、そこは腕の確かなとこちゃん。いろいろ悩みながらも、素敵な髪型へと変身させてあげたのです。
ぐるぐるっと渦を巻いたような髪型をしたお化けちゃんの横で、とこちゃんが読んでいるのは「かたつむりヘヤー」と書かれた本。その他にも、絵本をよく見てみると、細かな所に作者のこだわりが感じられます。変わった名前のシャンプー、黒電話、月曜日だけ赤丸が付けられたカレンダー。お化けの国へと通じる出入り口が、道端にある段ボール箱というのもいいですね。
J‐B.バロニアン/ぶん L.L.アファノ/え 佐藤見果夢/やく
バクのゆめきちくんは、探偵の本が大好き。ある日、毎日通う図書館で事件が起きました。一冊の本が無くなってしまったのです。買ったばかりのピカピカした金色の本。館長の本間さんが泣いています。ゆめきちくんは考えました。高い所に置いてあったその本を取れそうなのは…。ゆめきちくんの推理の始まりです。犯人は一体誰なのか?そして本は戻ってくるのか?
好きな本や映画、テレビ番組などに影響されることってありますよね。ゆめきちくんも好きな探偵の本に影響されて、すっかり探偵気取り。子供の頃って、こんなことがよくあったなーと思いました。
村上祐子/さく 片山健/え
お菓子の缶がごろごろ転がってミキサー車に大変身。それも、おいしいお菓子を作ってくれる、とても素敵なミキサー車に。ゆうちゃんを乗せてミキサー車は走ります。秘密の森を抜け、そこで出会ういろいろな生き物達から、蜂蜜や牛乳、卵といったお菓子の材料をもらい、ミキサー車のおなかの中で混ぜ合わせれば、おいしいアイスクリームの出来上がり。次から次へと出てくるアイスクリームに、集まってきた子供達も大満足でした。
子供が大好きな働く車とお菓子のコラボが、とても嬉しい絵本。途中、何度も出てくるミキサー車の歌にも心が弾みます。それにしても、ミキサー車でアイスクリームを作ってしまうなんて、素晴らしい発想の絵本だと思いました。子供が喜ぶこと間違いなしです。
征矢清/さく 林明子/え
庭で遊んでいたら、突然雨が降ってきました。こんな時は、家へ入れば大丈夫…と言っても、本当の家ではありません。よく茂った葉っぱに囲まれた、葉っぱのおうちです。そこは、さちのお気に入りの場所。コガネムシやモンシロチョウなど、いろいろな昆虫もやって来て、みんなで仲良く雨やどり。なんだか同じ家に住む家族みたいな感じがして、にっこり微笑むさちでした。
話に登場する昆虫以外にも、葉っぱのおうちには、いろいろな生き物が雨やどりしています。かたつむり、蛙、木の枝に見えるのは尺取り虫。他にも、きれいな雨水の模様を見せてくれているクモの巣。隠れているという程ではありませんが、絵を見て探す楽しみがあります。
なかやみわ/さく
そらまめくんが、素敵なベッドを作りました。それは、タンポポの綿毛のふわふわベッド。掘った穴にめいいっぱいタンポポの綿毛を敷き詰めて寝転がれば、まるでそらまめくんが大切にしている宝物のベッドの様にふわふわでやわらかなのでした。みんなにも見せてあげたい。そらまめくんはえだまめくんやグリーンピースの兄弟達を呼びにいきますが、突然雨が降り出して…
巻末にそらまめくんと友達の家が紹介されています。絵本の中でも登場しますが、ピーナッツくんの家だけ土の中にあるのが、子供には不思議な様子でした。そういえば、ピーナッツは土の中に実がなるんですよね。
山岡ひかる/作
とてもかわいらしいたまご達が、いろいろな料理に変身します。そのまま鍋でグツグツ煮れば、肌もつやつやゆでたまご。フライパンに割り入れて焼けば、プルルンふるえる目玉焼き。他にもオムレツ、たまごスープ。割ってかき混ぜ、そのままごはんにかけるだけでも、おいしいたまごごはんの出来上がり。
「たまごよたまご、なにになる?」繰り返されるこの言葉と、それに続く卵料理の数々が、子供の心をぐっとひきつけます。言葉のリズムが良く、たまごの絵もかわいらしく描かれているので、読み聞かせの絵本としておすすめです。
なかがわりえこ/文 やまわきゆりこ/絵
お料理すること、食べることが大好きな、のねずみのぐりとぐら。庭の畑にはにんじんやいんげんが植えられています。自分達が育てたにんじんの葉っぱをたっぷり使ったオムレツは最高。今度はかぼちゃを作ろう…すると、そこへ現れた一人の女の子。名前はすみれちゃん。リュックの中に大きなかぼちゃを詰めて、ぐりとぐらの家へやって来ました。さっそく料理をしたいのだけれど、すみれちゃんの持ってきたかぼちゃは堅くて簡単には割れそうにありません。そんな時は、すみれちゃんにおまかせ。えいっと地面に投げ落とし、割ってくれます。だって、そのかぼちゃは「すみれかぼちゃ」なのですから。
やはり、「ぐりとぐら」といえば楽しい料理シーンと食事シーンですよね。この絵本にも「食」の楽しさが詰まっています。ところで、今回登場するすみれちゃんには実在のモデルがいます。新聞などに取り上げられていたのを見た方もいると思います。すみれちゃんは脳腫瘍のため4才で亡くなりました。食事が思う様に出来なくなった時でも、大好きなぐりとぐらの絵本を見ると、カステラなどを食べる真似していたそうです。「食」の楽しさ、エネルギーがたくさんつまった「ぐりとぐら」。絵本は素晴らしいですね。
もしも、オオカミのお母さんがイタチだったら。しかも、そのオオカミが群れのリーダーだったとしたら…。オオカミのグーは誰よりもケンカが強く、リーダーとして群れを率いていました。彼には誰にも言えない秘密があります。そう、お母さんがイタチだったのです。小さい頃から、お母さんのことでいじめられてきたグー。そんなグーも、今では群れを率いるリーダー。お母さんがイタチだなんて言えるわけがありません。捨てられたグーを拾い大切に育ててくれたお母さん。愛情をたっぷり注いでくれたお母さん。でも…。親子のきずな、愛情を描き出した感動の絵本です。
グーを見ていると、参観日に親に来ないで欲しいと願う子供のように見えてきます。「親」というものに抱く理想像と現実とのギャップ。みんなに自慢できる親であって欲しいのに…。子供心は複雑です。また、子供が生きる社会も親社会と同様複雑です。完璧な親なんて、そうそういるものではありません。でも愛情を持って接していれば、子供の心に確かなきずなを残してくれると信じています。
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