ー絵本紹介用ー
ー今日の読み聞かせ用ー
ーお気に入り絵本用ー
ふくざわゆみこ/さく
ここは森の中にある人気のケーキ屋さん「アナグマケーキ」。表紙には、「ぎょうれつのできるおいしい絵本シリーズ」の絵本だけあって、おいしそうなケーキがたくさん描かれています。その店の中、フルーツ山盛りの特大ケーキを持っているのが、このケーキ屋さんのコック、アナグマさんです。彼こそはこの絵本の主人公…と言いたい所ですが、ちょっとだけ違います。もちろん、アナグマさんのケーキ屋さんにもおいしいケーキがいっぱい。森の動物達がたくさんやって来て大にぎわいです。でも、本当の主人公が別にいるんです。
それは、小さなありんこ達。ある日、「アナグマケーキ」の前で、森の動物達が落とした、とってもおいしい「食べかす」を見つけました。そして、その食べかすをたどっていったありんこ達は、今まで見たこともないような、きれいでおいしそうなたくさんのお菓子に出会うのです。自分達でも作ってみたいと思ったありんこ達は…
絵本の最後、小さな虫達が草むらの中にある小さなケーキ屋さんの前で行列を作っています。とてもかわいらしい絵本でした。
ぎょうれつのできるおいしい絵本シリーズも4作目になりました。このシリーズのお楽しみの一つである巻末のレシピ。今作のメニューは、アナグマさんがひそかに教える「おてがるぷるぷるプリン」。砂糖、卵、牛乳…たった3つの材料で作ることが出来るプリンです。
川端誠/〔作〕
細かく刻んで薬味にしたり、天ぷらにして食べられたりするミョウガ。その独特の香りから、あまり好んで食べない方もいるのではないでしょうか?このミョウガ、実は、食べ過ぎると物忘れをするという言い伝えがあります。
漢字で書くと「茗荷」。昔、自分の名前すら忘れてしまう「槃特(はんどく)」という弟子に対し、お釈迦様が、自分の名前を板に書いて背負わせたのだそうです。その槃特さんが大往生した後、その墓の周りにたくさん生えてきたのがミョウガでした。草かんむりに名、そして、それを荷なう…すなわち「茗荷」。何やらもっともらしい話ですが、もちろんミョウガをたくさん食べても物忘れがひどくなるなんてことはありません。
物語は、この「ミョウガをたくさん食べると物忘れをする」という言い伝えを信じ込む宿屋の夫婦が、ある悪だくみをすることで始まります。宿の名前を「みょうが屋」に変え、お茶や食事、はては風呂や布団にいたるまで、ありとあらゆるものをミョウガで埋め尽くし、泊まりに来た客が忘れていくであろう金品をちょうだいしようというわけです。さて、その悪だくみのおかげかどうか…泊まりに来たお客さんが、思惑通り(?)とても大きな忘れ物をしていくのでした。はたして彼が忘れていったものとは何だったのでしょうか?
川端誠の落語絵本シリーズの絵本。このシリーズは面白い話が多くて、親子そろって好きです。この絵本も、オチのきいた、とても心に残る話でした。
ユージーン・トリビザス/文 ヘレン・オクセンバリー/絵 こだまともこ/訳
「3びきの」…とくれば「こぶた」と言いたい所ですが、この絵本は3びきのかわいい「オオカミ」の話です。
ある所に、3びきのかわいいオオカミの兄弟がいました。彼らは、カンガルーからもらったレンガで自分たちの家を造りました。ところが、そこに悪い大ブタがやって来て、「家の中へ入れろ」と、ハンマーで家を壊し始めたのです…こんな話どこかで聞いたことがあるような…そう、この絵本は「3びきのこぶた」のオオカミ版。オオカミとブタの立場がすっかり入れ替わってしまったような不思議で楽しい物語です。
レンガの家を壊されてしまったオオカミの兄弟、今度は壊されまいとコンクリートで家を造りますが…
面白い絵本でした。3びきのこぶたならぬ、3びきのかわいいオオカミの話だと聞いて、子供達も興味津々。読み聞かせを始めると、何となく読める展開に、みんなニヤニヤ。3びきのこぶたとは微妙に違うストーリーを、それぞれ楽しんでいるようでした。
かとうあじゅ/作
とても小さくてちょっと不思議な生き物「じっちょりん」の日常を描いた「じっちょりん」シリーズの絵本。花びらや葉っぱを食べて暮らすじっちょりん。種だけは食べずに、どんぐりのぼうしで作った「種かばん」の中にためていきます。そして、町のいたる所に植えていくのです。町のあちらこちらに花がいっぱいなのは、彼らのおかげかもしれません。
…ある夏の日、種かばんの中の種が少なくなってきたじっちょりん一家は、種を集めに出かけました。さんさんと照りつける太陽の下、喉が渇いたじっちょりん一家が水を求めて歩いていると、突然、大粒の雨が降ってきました。雨宿りをするため、ほおずきの中へ入っていくと…
さて、ここまでは何気なくすらすらと読み進めて来たのですが、ページをめくって、目を奪われました。ほおずきの中のオレンジの世界が、とても魅力的に描かれていたのです。じっちょりん達が口にしたその実のまわりには、おいしそうな果汁があふれ…もう、とにかくおいしそうなのです。この後も物語は続き、いろいろ見所はありますが、私の中ではこのシーンが圧巻でした。ぜひ一度見てみてください。
読み終わった後、長女(11才)も私と同じように、ほおずきの中のシーンが良かったと言っていました。とても心に残る絵だったようです。「じっちょりん」シリーズといえば、描かれる花や草にちゃんと名前が書かれているのも魅力の一つ。ちょっとした植物図鑑のようです。そして…もちろん、今作でもすべてのページにものすごく小さなハートが一つ描かれており、それを探すというおまけのお楽しみもついていますよ。
のぶみ/さく
男の子なら誰もが憧れる(?)正義の味方、仮面ライダー。変身ポーズを覚え、おもちゃのライダーベルトを腰に巻き、お面を装着したら…さあ、仮面ライダーへ変身!子供の頃、そんな仮面ライダーごっこをした方もいるのではないでしょうか?
かんたろうも仮面ライダーが大好きな男の子の一人。どうしても仮面ライダーになりたくて仕方ありません。牛乳パックでライダーベルトを作ったり、自転車を段ボールで飾ってライダーバイクに改造したり、いろいろなライダーの変身ポーズを試したりしてみたけれど…やっぱり仮面ライダーにはなれないみたい。
ところがその日、幼稚園で、いじめっ子のゴンちゃんがいつものように悪さをしているのを見たかんたろう。今日はライダーベルトを腰に巻いています。変身は出来なかったけれど、気分はすっかり正義の味方。かんたろうの心の中に、みんなを守りたいという熱い思いがこみ上げてきました。…ぼくが、あいてだ!…すると突然、牛乳パックで作ったベルトが光り出して…
「ぼく、仮面ライダーになる!」シリーズ1作目。子供達が好きな…そして、読み聞かせの時にとても楽しそうなシリーズの絵本。それなりに話がしっかりしているので、読み聞かせもしやすいと思います。ただ…子供達が気になるページが多いので、何回も中断することになるかもしれません。
京極夏彦/作 町田尚子/絵
おばあさんの家で暮らすことになった男の子が体験した恐怖の物語。その怖さは、静かな怖さ。背筋がぞくぞくっとする怖さです。初めてこの絵本を読んだとき、子供の頃のある恐怖を思い出しました。おばあちゃんの家の土壁に掛かっていた掛け軸のシミ。ある日それが「目」に見えてしまって、それ以来、しばらくそちらを見たくありませんでした。何か、じっと見られているようで…
絵本の中、男の子が気になったのは天井に渡された太い梁の上。それは古民家によく見られるとても高い高い天井で、梁の上の方には闇が広がり、何かが潜んでいそうな怖さがあります。そう、何かがそこにいそうな…
気になって気になって仕方が無い梁の上の暗がり。そしてある日、男の子は、見てはいけないものを見てしまうのでした。
長女(11才)が表紙を見た途端、何か…絵がもう怖い…と言っていました。確かに、絵が「いい」雰囲気を作っています。最後の恐怖のシーン、次男(6才)は、とっさに手で絵を隠してしまいました。ちょっと、刺激が強かったみたいです。
かこ さとし 作・絵
何年もの間、みんなに親しまれてきた名作絵本『からすのパンやさん』に続編が出ました。実に、40年越しの新作です。しかも4冊続けて。何故4冊も?…と思われる方もいれば、はは〜ん、もしかして…と何かに感付かれる方もいると思います。もちろん、4冊続けて出るのにはわけがあります。実は、今回の新作、からすのパンやさんにいた4羽の子がらす達が大きくなってからの話なのです。あのチョコちゃん、リンゴちゃん、レモンちゃん、オモチちゃんは、それぞれチョコくん、リンゴさん、レモンさん、オモチくんへと成長しました。そして、今回の新作の中、4羽の子がらす達が、みんなそれぞれ、お婿さんやお嫁さんを見つけるんです。さあ、どんな物語を見せてくれるのでしょう。
『からすのおかしやさん』…父さんがらすと母さんがらすが出かけ、留守を任された4羽の兄弟。みんながんばってパン屋の仕事をします。中でも、父さんがらすから留守番番長と呼ばれたチョコくんは大はりきり。自分でも作ってみようと、見よう見まね、記憶をたよりに、何かを作り始めました。すると、パンとはちょっと違うクッキーのようなものが出来上がり…
『からすのやおやさん』…ある日、リンゴさんは、仲良しの友達イソちゃんと一緒に、そのいとこのシンちゃんの野菜売りを手伝うことになりました。そこは森の外れにある「かしのきみち」。人通りならぬからす通りの少ない場所でしたが、いろいろなアイデアを出し合ったおかげか、店はどんどん繁盛していき…
『からすのてんぷらやさん』…かえで通りにあるてんぷらやさんが火事になってしまいました。焼け死んでしまったのか…かみさんの姿は見えず、息子のイワくんも目を怪我してしまい、店の主キュウベエさんはただただ泣くばかり。そこへお見舞いにやって来たレモンさんとおモチくん。キュウベエさんを励まし、てんぷらやさんの再興のため、力を貸すのでした。
『からすのそばやさん』…ある日、森の外れへとやって来たおモチくん。白くて小さい花が一面に咲く畑を見つけました。そこに咲いていたのは、そばの花。おモチくんは、そこでハッサクおじさんと出会い、それが縁で、そばの作り方を習うことになりました。実はそこは『からすのやおやさん』にも登場したリンゴさんの友達のイソちゃんの家。つまり、ハッサクおじさんはイソちゃんのお父さんだったのです。おモチくんは、せっかく習ったそば作りの技術を生かし、お店を開きたいとお願いしました。
『からすのパンやさん』では、ページいっぱいに、いろいろな種類のパンが描かれたページがありました。今回の新作でも『からすのおかしやさん』や『からすのそばやさん』の中にその流れが引き継がれています。ページいっぱいに描かれた、たくさんのお菓子や麺類の数々。そのにぎやかなページを見ると、「そうこなくっちゃ」…と、何となく笑顔になってしまいました。他にも『からすのてんぷらやさん』では、みんなで歌う結婚式のシーンがあったり、『からすのやおやさん』では売れ残った果物をとってもかわいらしくする工夫が描かれていたりと、4冊それぞれに見所がありました。絵本紹介topへ
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