ー絵本紹介用ー
ー今日の読み聞かせ用ー
ーお気に入り絵本用ー
酒井駒子/〔作〕
夜中に降り始めた雪が、朝になっても降り続いていました。園がお休みになったうさぎのぼうや。外に出て雪でおもいっきり遊ぼうとしたら、ママは雪がやむまで外へ出てはいけないと言いました。ところが、お昼になってもおやつの時間になっても雪はやみません。ママも買い物は中止。仕事で遠くへ行っているパパの帰りの飛行機も飛べなくなったみたい。雪はしんしんと降り続けます。外は誰も通らない静まり返った世界。部屋の中にはママとぼうや二人だけ。外で遊びたいし、パパにも帰ってきて欲しい…。うさぎのぼうやは、家の中でただひたすら雪がやむのを待つのでした。
雪の日に感じる独特の雰囲気がとても良く表現された絵本です。何か特別なおもちゃが空から落ちてくるようなワクワク感。灰色の空に覆われ静まり返った世界に感じる寂寥感。雪が降る特別な日を見事に描き出した絵本でした。
工藤ノリコ/作・絵
土の中で休んでいたセミくんのもとへ、カブトムシから確認の電話がかかってきました。セミくんは答えました。「そうです、いよいよ今夜です」。今夜はセミくんにとって一生に一度の特別な日。長い間住んでいた土の中の家に別れを告げ、木の上でセミに変わる大切な日なのです。カブトムシやカブトムシから連絡を受けたホタル達などたくさんの昆虫も駆けつけ、みんなでこの特別な日をお祝いします。そして…夜がやって来ました。やさしく輝く月の光の下、セミくんは木の上へと登っていくのでした。
『セミくんいよいよこんやです』…とても印象的なこのタイトル。「一体どんな話なんだろう?」と、思わず手にしました。私も小さい頃、セミの羽化を見たことがあります。夜中、親に起こされて見た光景。今でも心に残っています。たしかアブラゼミだったような気がしますが、羽化したばかりのセミは、真っ白で透き通るようにきれいでした。子供にも一度は見せてあげたいものです。
富安陽子/文 降矢なな/絵
まゆは、山のてっぺんの小さな家に住むやまんばの一人娘。雪がとけ始めたある春の朝。まゆは、やまんばかあさんと一緒にお客様を迎える準備をしていました。毎年、同じ時期にやって来るお客様。それは、山を、大地を冬の長い眠りから目覚めさせる竜。今年は竜の子供もやって来ました。やまんば特製のやまもものお酒をたっぷり飲んだ竜は、空の上で大暴れ。春一番の雨を降らせるのでした。
「やまんばのむすめ、まゆのおはなし」シリーズの絵本。竜の親子が、まゆとやまんばかあさんを背中に乗せ空から雨を降らせるシーンは大迫力。読み聞かせしていて、思わず声に力が入ります。子供達も真剣に聞き入っていました。読み聞かせ向きのとても良い絵本です。
きしだえりこ/さく やまわきゆりこ/え
楽しみなお弁当の時間がやって来ました。今日のお弁当は何だろう?わくわくしながら弁当の包みを開けると、中にはみんなが大好きなものが入っていました。うさぎさんはにんじん。くまさんははちみつパン。ねこさんはイワシのソテー。そして、見所は何と言ってもぞうさんの特大お弁当と、虫さんのちっちゃなちっちゃなお弁当。一体何が入っているのかな?
一番最後のページにみんなのお弁当がずらりと並べられています。 どのお弁当が誰のお弁当か当ててみましょう。私の一番のお気に入りは、小さな虫さんのお弁当。包みを開けてびっくり。とてもかわいいんです。その時のセリフも大好きです。
飯野和好/さく
江戸で一番と評判のかご屋で働き始めたしんたとちょうた。その働き始めに乗せてしまった客が、怪しい妖怪だったからさあ大変。しかも行き先は京都。東海道をひたすら走り続けるしんたとちょうたですが、お客がお客だけに何事も無く京都へ行けるわけがありません。空を飛ばされたり、河童に変身させられたり…。しんたとちょうたとちょっと変わったお客さんの絶妙なやり取りが、とても楽しい絵本です。
早駕篭(はやかご)だと、江戸から京都まで4日半で走ったそうですが。この絵本のテンポの良さは、それに勝るとも劣りません。まったりした所と、スピード感を感じさせる所のメリハリが良く、読み手聞き手の心をしっかりつかんだまま一気に最後まで読ませます。
いわさゆうこ/作 大滝玲子/作 渡嘉敷裕/監修
どんぐりのことなら、この本におまかせ。クヌギ、アベマキ、コナラ、ミズナラ…実に23種類ものどんぐりが、写真やかわいいイラストと共に紹介されています。それだけではありません。どんぐりを使った遊び道具や、楽器、日用品の作り方、いろいろな料理法、思わず「へーっ」と納得してしまうような豆知識、そして、食料難の時に実際にどんぐりを食べていた人達の体験談など、本当に盛りだくさんの内容が詰め込まれているのです。どんぐりのことをもっともっと知りたい人におすすめの一冊です。
この本にはお世話になりました。どんぐりについて何か知りたいことがあったら、まずこの本を開きます。どんぐり拾い、どんぐり遊びには欠かせない一冊です。私は、この本で初めて、どんぐりが食べれるということを知りました。…「どんぐりを食べてみよう」
あきやまただし/作・絵
男の子は、お母さんに怒られていました。それは、お出かけにハンカチとちりがみを忘れたから。トイレの後に電気を消さなかったから。ご飯をよそ見しながら食べるから…。いつも言っているのにどうして忘れちゃうの?お母さんは怒っています。でも、心配しないでお母さん。どうしても欲しかった怪獣の人形をお父さんと一緒に探しまわった日のこと、何回も読んでもらった絵本のこと…大事なことは、しっかり覚えていますよ。
何度注意してもやらない、出来ない、やろうとしない。ついついイライラしてしまう気持ちわかります。当然しつけは必要です。ただ、子供は失敗をくり返して成長していきます。その度に、一方的に「やれない」「出来ない」「すぐに忘れる」などとネガティブな言葉をかけ続けたら、きっと子供は萎縮してしまい、自分はだめな子だと思い込むようになると思います。子供にかける言葉は掛け捨てではありません。間違いなく蓄積していきます。ついついイライラして、子供を思いやる気持ち、愛情がどこかへいってしまわないよう気をつけたいものです。
accototo/著
「うしろにいるのだあれ」、いぬの後ろにはかめがいました。その後ろにはねこがいました。そのまた後ろにはぞうがいて、その前では鳥が飛んでいました。りす、へび、みみずく、きりん…近くにいる動物をたどっていくと最後には…あれれ不思議。いぬの所まで戻ってきました。みんな近くにいたんですね。
繰り返しのある絵本。「うしろにいるのだあれ」、本の端に見える手や足、しっぽなどをたよりに次のページにいる動物を当てっこしながら読んでいきます。子供がとても楽しそうに答えていました。そして一通り楽しんだ後、最後の最後にのせられているのが作者からのメッセージ。これがあたたかくて心に残るんです。後味もいい絵本ですね。このシリーズはたくさん出ていて、それぞれにいろいろな動物が登場するので、動物の名前や姿を自然に覚えることも出来ますよ。『うしろにいるのだあれ』シリーズに登場する動物達
さかいこまこ/作・絵
リコちゃんが自分だけの家に引越したいと騒いでいます。だって、せっかく楽しく遊んでいたのに、お兄ちゃんは意地悪するし、お母さんはおもちゃを蹴っ飛ばしてしまうし…そんなリコちゃんのためにお母さんが箱の家を用意してくれました。けれどリコちゃんは、そんなのただの箱じゃないかと不満顔。するとお母さんは、箱にドアを作って窓をつけて、はぎれのジュータンを敷いて…ただの箱がみるみる素敵な家へと変わっていくのです。これにはリコちゃんも大喜び。窓にカーテンをつけ、テーブルも並べ、だんだん本当の家みたいになっていきます。そして、そんな楽しそうな雰囲気に誘われて、変なお客さんもやって来ちゃいました。
『よるくま』でおなじみの酒井駒子さんのデビュー作。この絵本を読んだ後、6才の娘はテーブルのまわりに新聞紙を貼付けて「窓を切り抜いたよ」って自分の家を作っていました。かなり影響されたみたいです。子供の夢がたくさんつまった素敵なおうち、そして絵本でした。
エリサ・クレヴェン/作・絵 たがきょうこ/訳
ネリーはひとりぼっち。古い箱に住み、食べ物を探してはいつもお腹を空かしています。あたたかくてちゃんと食べ物がある家に住みたい。そんなネリーをからかってやろうと近付いてきたのは意地悪カラス。ピカピカのゴムボールを取り出し、こう言ったのです。このボールは魔法のボール。願い事を三つ唱えてはずませ、そのボールを見事つかまえれば願いがすべて叶うと…。さっそくネリーは試しました。遠くへ飛んでいったボールを必死に追いかけるネリーの姿を見て、カラスは笑っています。ところが、そんなただのいたずらだったはずのボールが、ネリーにちょっと不思議で素敵な出会いをプレゼントしてくれるのでした。
ページをめくるたびに、たくさんの動物がいて、いろいろなことをしています。縄跳びをするヤギ、ベンチに座って本を読むゾウ、野球をするブタ。他にも、ギター、ピアノ、編み物に自転車。みんな楽しそうで、ほのぼのしていて、見ているだけで幸せな気分になってきますよ。絵本紹介topへ
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